青検 - 蘭郁二郎
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鱗粉. 蘭郁二郎. 一. 海浜都市、K——。 そこは、この邦(くに)に於(お)ける最も華やかな、最も多彩な「夏」をもって知れている。 ... 底本:「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房. 2003(平成 ...
自殺. 蘭郁二郎. 一. それは何処 ... 灰色に鬱々(うつうつ)とした雲は、覆(おお)いかぶさるように空を罩(こ)め、細い白茶(しらちゃ)けた路(みち)はひょろひょろと足元を抜けて、彼方(かなた)の骸骨(がいこつ) ... 名作選7 蘭郁二郎集 ...
穴. 蘭郁二郎 ... 丁度(ちょうど)宿直だった私は、寝呆(ねぼ)け眼(まなこ)で朝の一番電車を見送って、やれやれと思いながら、先輩であり同時に同僚である吉村君と、ぽつぽつ帰り支度に ... 底本:「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房 ...
幻聴. 蘭郁二郎. ああ皆様、なんという私は、この呪われた運命(ほし) ... 思っても嫌な嫌な、バタバタと足をふみならし、歯ぎしりをしてのたうちたいような、居ても立ってもいられない、 ... 探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 ...
孤独. 蘭郁二郎 ... と、いってもわざわざ行く程でもないが出歩くのが好きな洋次郎は、ツイ便利な銀座へ毎日のように行き、行けば必ず"ツリカゴ"に寄るといった風であった。 ... 底本:「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房 ...
鉄路. 蘭郁二郎. 一 ... というのを口の中で噛潰(かみつぶ)した、機関手の源吉(げんきち)は、誰にいうともなく、あたりを見廻した。 ... 底本:「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房. 2003 ...
蘭郁二郎. ——私は自分の弱い心を誤魔化す為に、先刻(さっき)から飲めもしない酒を飲み続けていた。 第三高調波(サードハーモニックス)を描く放送音楽(ラジオミウジック) ... 底本:「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房 ...
睡魔. 蘭郁二郎. 一 「おやっ? 彼奴(あいつ)」 村田が、ひょっと挙(あ)げた眼に、奥のボックスで相当御機嫌らしい男の横顔が、どろんと澱(よど)んだタバコの煙りの向うに映った——、と同時に (彼奴はたしか.) と、思い出したのである。 ...
歪んだ夢. 蘭郁二郎. 私は、学生時代からの不眠が祟って、つい苦しまぎれに飲みはじめた催眠薬が、いつか習慣的になってしまったものか、どうしてもそれなしには、一日も過すことが出来なくなってしまったのです。 ああ、私からは最早、 ...
魔像. 蘭郁二郎. 一. 寺田洵吉(じゅんきち)は今日も、朝から方々職を探してみたが、何処にもないとわかると、もう毎度のことだったが、やっぱり、又新たな失望を味って、当(あて)もなく歩いている中、知らず知らずに浅草公園に出ているのであった。 ...
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