青検 - 伊勢参り
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なお委(くわ)しくいえば、伊勢音頭(いせおんど)で名高い古市(ふるいち)の尾上坂(おべざか)と宇治の浦田坂の間、俗に牛谷というところあたりが、いわゆる間の山なので、そこには見世物や芸人や乞食がたくさん群がって、参宮の客の財布 ...
近世の伊勢参りの如きも此形である。 魂を留める為に、家の門に木を切つて立てゝ置いた。 此動作がはやすである。 かうして解くと、万葉集の中で、今日まで解けなかつた歌が、大分解けて来る。 この様に、木の花を以て祝福したり、将来 ...
夢や新聞は、毎日変ったものを見せられるところにねうちがあるのだが、米友のように、毎夜毎夜同じ夢ばかりを見せられては、驚かなければなりません。 夢から醒(さ)めたたびに米友の驚き呆(あき)れた面(かお)も、やはりはんで捺したようなものです。 ...
白根(しらね)入りをした宇津木兵馬は例の奈良田の湯本まで来て、そこへ泊ってその翌日、奈良王の宮の址(あと)と言われる辻で物凄い物を見ました。 兵馬が歩みを留めたところに、人間の生首(なまくび)が二つ、竹の台に載せられてあったから驚かないわけにはゆきません。 ...
道庵は、よくそんなところへ出会(でっくわ)せる男で、いつぞやも伊勢参りをした時に、やはり、こんなような鉢合せから始まって、宇治山田の米友という珍物を掘り出したのは、この先生の手柄であります。 「そーら見ろ、悪いいたずらをすると罰が当るぞよ、世界の立て直しだぞよ」 ...
それから、酒店のしるしとして古風に杉の玉を軒に吊っている家が、まだ一軒石部の宿に残っていることやら、お伊勢参りの風俗や道中唄なら関の宿の古老に頼めば知っていて教えて呉れることだの、主人の研究の資料になりそうなことを助言していたが、私の退屈にも気を配ったと見え ...
見上げるところの九十九折(つづらおり)の山路から徐(おもむ)ろに下りて来るのは、桐油(とうゆ)を張った山駕籠(やまかご)の一挺で、前に手ぶらの提灯を提げて蛇の目をさしたのは、若い女の姿であります。 ややあって、駕籠だけは ...
伊勢参りから帰り、お絹はそのお墓参りをしてここに逗留(とうりゅう)することも久しくなりました。 「危ない、女の身で、引込んでいさっしゃれ」 「そんなことをおっしゃらないで、お待ち下さいまし」 お絹は竜之助と浜松藩の武士の間へ身を以て入り込んでしまいました。 ...
「人国記」の流行ってきた時代――大阪人は、大阪から一足も出ないし、江戸人は、江戸の内で一生暮らしているし、もし他国へ出るなら、それは伊勢参りと、善光寺参りとが人生の二大旅行であった頃なら、そうした「概念的贅六」の観方も正しい ...
「おや、まあ、お前は弁信さんじゃありませんか.」 と、草鞋(わらじ)を取る前に、まず呆気(あっけ)にとられたのは久助です。 「はい、弁信でございますよ。 久助さん、お変りもありませんでしたか、お雪ちゃんはどうでございます」 「お雪ちゃんも、 ...
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