青検 - 久生十蘭

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骨仏. 久生十蘭. 床(とこ)ずれがひどくなって寝がえりもできない。 梶井はあおのけに寝たまま、半蔀(はじとみ)の上の山深い五寸ばかりの空の色を横眼で眺めていると、伊良がいつものように、「きょうはどうです」と見舞いにきた。 ...
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昆虫図. 久生十蘭 ... 青木がその裏へ越して以来の、極く最近のつきあいで、もと薬剤師だったというほか、くわしいことは一切(いっさい)知らなかった。 ... 底本:「日本探偵小説全集8 久生十蘭集」創元推理文庫、東京創元社 ...
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水草. 久生十蘭. 朝の十時ごろ、俳友の国手石亭(ドクトルせきてい)が葱(ねぎ)とビールをさげてやってきた。 「へんな顔をしていますね。 どうしました」 ... 底本:「日本探偵小説全集8 久生十蘭集」創元推理文庫、東京創元社 ...
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金狼. 久生十蘭. 1. 市電をおりた一人の男が、時計を出してちょっと機械的に眺めると、はげしい太陽に照りつけられながら越中島から枝川町のほうへ歩いて行った。 左手にはどす黒い溝渠(ほりわり)をへだてて、川口改良工事第六 ...
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犂氏の友情. 久生十蘭. 一 ... スパゲティを牛酪(バタ)で炒(いた)めている最中で、こちらも火急の場合だったが、石亭先生の弱りかたがあまりひどいので、肉叉(フゥルシェット) ... 底本の親本:「久生十蘭傑作選3[#「3」はローマ数字、 ...
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顎十郎捕物帳. 永代経. 久生十蘭. 角地争(かどちあらそ)い. 六月十五日の四ツ半(夜の十一時)ごろ、浅草柳橋(やなぎばし)二丁目の京屋吉兵衛(きょうやきちべえ)の家から火が出、京屋を全焼して六ツ(十二時)過ぎにようやくおさまった。 ...
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顎十郎捕物帳. ねずみ. 久生十蘭. 藤波友衛(ふじなみともえ) 坊主畳を敷いた長二十畳で、部屋のまんなかに大きな囲炉裏が切ってある。 ... 底本:「久生十蘭全集 4[#「4」はローマ数字、1-13-24]」三一書房. 1970 ...
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顎十郎捕物帳. 捨公方. 久生十蘭. 不知森 ... 年代記ものの黒羽二重(くろはぶたえ)の素袷(すあわせ)に剥げちょろ鞘の両刀を鐺(こじり)さがりに落しこみ、冷飯(ひやめし)草履で街道の土を舞いあげながら、 ... 底本:「久生十蘭全集 4 ...
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都鳥. 久生十蘭. 馬の尻尾(しっぽ) ... 紙魚(しみ)くいだらけの古帳面を、部屋いっぱいにとりちらしたなかで、乾割(ひわ)れた、蠅のくそだらけの床柱に凭れ、ふところから手の先だけを出し、 ... 底本:「久生十蘭全集 4[#「4」 ...
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肌色の月. 久生十蘭. 運送会社の集荷係が宅扱いの最後の梱包を運びだすと、この五年の間、宇野久美子の生活の砦だった二間つづきのアパートの部屋の中が、セットの組みあがらないテレビのスタジオのような空虚なようすになった。 いままで ...
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