青検 - 中里介山
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大菩薩峠. 間の山の巻. 中里介山. 一. 内宮(ないくう)と外宮(げくう)の間にあるから間(あい)の山(やま)というのであって、その山を切り拓(ひら)いて道を作ったのは天正年間のことだそうであります。 なお委(くわ)しく ...
「峠」という字. 中里介山 「峠」という字は日本の国字である。 日本にも神代から独得の日本文字があったということだが、それは史的確証が無い、人文史上日本の文字は、支那から伝えられたものであって、普通それを漢字と云っているが、日本で ...
大菩薩峠. 三輪の神杉の巻. 中里介山. 一. 大和(やまと)の国、三輪(みわ)の町の大鳥居の向って右の方の、日の光を嫌(きら)って蔭をのみ選(よ)って歩いた一人の女が、それから一町ほど行って「薬屋」という看板をかけた大きな ...
大菩薩峠. 伯耆の安綱の巻. 中里介山. 一. これよりさき、竜王の鼻から宇津木兵馬に助けられたお君は、兵馬恋しさの思いで物につかれたように、病み上りの身さえ忘れて、兵馬の後を追うて行きました。 よし、その言い置いた通り ...
大菩薩峠. 竜神の巻. 中里介山. 一. 天誅組がいよいよ勃発(ぼっぱつ)したのは、その年の八月のことでありました。 十七日には大和(やまと)五条の代官鈴木源内を斬って血祭りにし、その二十八日は、いよいよ総勢五百余人で同国高取の城を攻めた日。 ...
大菩薩峠. 白根山の巻. 中里介山. 一. 机竜之助は昨夜、お絹の口から島田虎之助の最期(さいご)を聞いた時に、 「ああ、惜しいことをした」 という一語を、思わず口の端から洩らしました。 そうしてその晩、お絹は夜具を被(かぶ) ...
大菩薩峠. お銀様の巻. 中里介山. 一. 夜が明けると共に靄(もや)も霽(は)れてしまいました。 天気も申し分のないよい天気であります。 幸内は能登守の屋敷から有野村の伊太夫の家へ迎えられることになりました。 有野村へ ...
大菩薩峠. 京の夢おう坂の夢の巻. 中里介山. 一. 同じその宵(よい)のこと、大津の浜から八十石の丸船をよそおいして、こっそりと湖中へ向って船出をした甲板の上に、毛氈(もうせん)を敷いて酒肴を置き、上座に構えているその人は、有野村の藤原の伊太夫で、 ...
大菩薩峠. 鈴慕の巻. 中里介山. 一. 天井の高い、ガランとした田舎家(いなかや)の、大きな炉の傍(はた)に、寂然(じゃくねん)として座を占めているのが弁信法師であります。 時は夜であります。 弁信の坐っている後ろには、 ...
大菩薩峠. 鈴鹿山の巻. 中里介山. 一 「浜(はま)、雪は積ったか」 炬燵(こたつ)に仮睡(かりね)していた机竜之助は、ふと眼をあいてだるそうな声。 「はい、さっきから少しもやまず、ごらんなされ、五寸も積りました」 「うむ.だいぶ大きなのが降り出した」 ...
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