青検 - 上村松園
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髷. 上村松園. ちいさい頃から、いろいろの髷を考案して近所の幼友達にそれを結ってあげ、ともにたのしんだのがこうじて、年がつもるにしたがって女の髷というものに興味を深くもつようになった。 ひとつは私の画題の十中の八、九まで ...
無題抄. 上村松園. 私には、どうも絵以外のことですと、どうせ余技にすぎないからという気がして、打ち込んで熱中する気になれない性分があるようです。 三味線にしても長唄にしても、最初は謡曲にしても、皆そういう風にずぼらに考えていました。 ...
友人. 上村松園. 私にはこれという友人がなく、つきあいらしい交際(つきあい)もしたことがない。 昔から独りぼっちといった感じである。 女の人で当時絵を進んでやるという人もほとんどと申してよいくらい少なく、たまたまあった ...
旧作. 上村松園. ある人が、こんなことを言っていました。 先日文壇の大家の某氏にあったとき、談たまたま作品のことに及んだ折り、私はその作家の十五、六年前に問題になった小説のことを話題にして、 「こういう時局に、あの小説 ...
螢. 上村松園. この図を描くに至つた動機と云ふやうな事もありませんが曾(かつ)て妾(わたくし)は一茶(いつさ)の句であつたか蕪村(ぶそん)の句であつたか、それはよく覚えませんが、蚊帳(かや)の句を読んで面白いと思つて居りました。 ...
思ひ出. 上村松園. 一. まだ四条通りが、今のやうに電車が通つたり、道巾が取りひろげられなかつた頃、母と姉と私と三人で、今井八方堂と云ふ道具店の前にあたる、今の万養軒の処で葉茶屋をして居りました。 父は私の生れる前になく ...
随想. 上村松園. 時代の移り変わりは妙なものである。 そのころは新しく奇異の思いにも感じられなかったことが、後にふり返ると滑稽にも思われる。 私は明治二十年、十三歳の頃京都の画学校に入ったが、その時分の学校は今の京都ホテル ...
砧. 上村松園. 謡の「砧(きぬた)」に取材したものですが、章句の中には格別に時代が決定されていませんので、私の自由に徳川時代元禄から享保頃迄の人物にこれを表現してみました。 最初は横物にして腰元の夕霧も描くつもりでした ...
迷彩. 上村松園. この間私はある方面から質のいい古い唐紙を手に入れましたので、戯れに興味描きを試みまして、知合いの人にも贈ったりしました。 唐紙の古いのは、ガサガサした塵埃が脱(ぬ)けているような気がして大そう筆の運びがいいように思います。 ...
上村松園. 汽車の旅をして、いちばん愉しいことは、窓にもたれて、ぼんやりと流れてゆく風景を眺めていることである。 いろいろの形をした山の移り変りや、河の曲折などを眺めていると、何がなし有難い気持ちになって、熱いものを感じるのである。 ...
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